JANは醤、じゃん。
なんと情けないことか。
残念である。
まもなく仕事初めという所で、
なにやら体調が優れない。
大吉はどうした。
熱もないしのどが乾燥しているだけだが、
良い気分ではない。
気を引き締めて体調管理をしなければ。
早めの風邪薬を投薬し、
新年早々にして人様に迷惑をかけまいと必死である。
さて。
私は以前、
中国料理にまつわる仕事に従事していた。
その甲斐あって、
中国料理への造詣を深めたことは勿論だが、
2tトラックの運転、荷物の積み方、
配達効率UP法確立やホテル購買部との折衝、
辛さ(からさ)へ耐性など、
いろいろな特殊技能を習得したのである。
後々役に立つものばかりの能力だが、
中でも、調味料への知識というものが特筆される。
醤シリーズ。
これらは現在の日本の食生活においても
充分に市民権を得た調味料であろう。
専門問屋であったので、
麻辣醤、芝麻醤、沙茶醤、
花椒辣醤、蝦醤、豆鼓醤…など
名前を聞いてもピンとこないものも扱う。
初めはとても苦労した。
毎日○○醤を配達する中、(取り違えながら)
味についても、勉強会や試食を重ねて理解を深め、
お客様に提案していくわけだが、
これがまあ味バカには辛い。
わからないのだ。わからん。
なんなんだ、これは。
なんの味なんだ。
甘いと言われるが、甘いか?
そしてお店やオーナーシェフの好みによっては、
同じ豆板醤でもメーカーによって違うからと、
何種類もの豆板醤が在庫にあるわけだ。
もう全くおんなじ!
辛いやつやん!
なんなんだ、一体。
私にはどうやら、
味の機微を理解することはできないのだ。
甘いか辛いかである。二択だ。
そんなこんなで、
5年もの月日を過ごした中でも
得られたものは、
運転や荷造り、
業務改善方法やホテルのルール、
これらだけなのかもしれない。
結局中国料理のなんたるかの、
片鱗にも触れられなかった。
(触れていたにも関わらずわからなかった)
先日ジャージャー麺を作ってくれと言われ
スーパーの調味料コーナーに行ったとき、
豆板醤と甜麺醤ではなく、
ジャージャー麺の素を探しながら、
(勿論なかったのだが)
そんなことを思い出したのであった。